戦争を終わらせることは難しい。そうであればとにかく戦争を始めないこと、戦争に巻き込まれないことが第一
録画してあった、『池上彰の戦争を考えるSP〜こうして戦争は終わり、戦後の復興が始まった〜』(テレビ東京系、2011/8/14放送)を観た。
昨年(2010/8/15)に放送された『池上彰の戦争を考えるSP〜戦争はなぜ始まりどう終わるのか〜』で、池上さんが語った「戦争は始めることよりも、終わらせることの方が、何倍も難しい」という言葉が心に響いた。
歴史に「もしも」はないが、「もしも」東京大空襲の前に戦争を終わらせることができていたなら、「もしも」アメリカ軍が沖縄に上陸する前に戦争を終わらせることができていたなら、「もしも」アメリカ軍が広島に原子力爆弾を投下する前に戦争を終わらせることができていたなら、と思わざるを得ない。
そう考えると、そもそも戦争を始めなければこういうことにはならなかったのだから、私たちはとにかく戦争を始めないこと、戦争に巻き込まれないこと、を第一に考えて行動していくべきだろう。
今年は東日本大震災があり、震災からの復興を戦後の復興と重ね合わせて考えられることが多い。あの戦争から復興できたのだから、日本はこの震災からも復興していけるだろう。例え内閣総理大臣がどんなに愚かでも、日本国政府がボロボロでも、日本人はこの苦難を乗り越えていくだろう。
玉音放送の中で、昭和天皇が戦争終結後のこの国の歩む道について国民に語っていることは知らなかった。その言葉を当時の日本人がどのような気持ちで聞いたのかは私は知らない。しかし、今年の震災で今上天皇が国民に語りかけたお言葉は、この国のどんな政治家の言葉よりも国民に力を与えたと思う。それで本当に国民主権なのかとも思ってしまわなくもない。しかし、時にはそれでも良いと思う。
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販売元:ポニーキャニオン |
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