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2011年8月25日 (木)

『「おじさん」的思考』 (内田樹著) 沈みゆくタイタニック号の最後の救命ボートの最後の一席を「お先にどうぞ」と言えるような生き方ができるだろうか

「こつこつ働き、家庭を愛し、正義を信じ、民主主義を守る…。」そんな「日本の正しいおじさん」は時代遅れなもの、古臭いものとして唾棄されようとしている。そんな中で立ちあがったのが、内田樹センセーである。(大学は退任されているが、このひとはやっぱり、センセーと呼びたい。)

冒頭から、「普通はない国」である日本を、軍隊を持ちアメリカに追従してテロと戦いという「普通の国」にしようとする動きをけん制する。また、憲法第9条こそが、自衛隊を存続させている最大の根拠である、など、憲法を改正して、軍隊を持った「普通の国」にしようとする動きもけん制する。「普通ではない国」だからこそ、日本は国際社会の中で生き残っていく道を開くことができる、というのは、一時期、アメリカン・ローカル・スタンダードでしかなかったグローバル・スタンダードに踊らされたひとたちには耳が痛いだろう。

また、「お先のどうぞ」という言葉が、どういう状況でも言える生き方、言える社会というものは、実現は難しいのだろうが、良いなあと思えてくる。沈みゆくタイタニック号の最後の救命ボートの最後の一席を「お先にどうぞ」と言えるような生き方ができるだろうか。私のように未練たらたら、のんべりだらりと生きているとなかなか、「お先にどうぞ」とは言えないものだ。

第4章は、夏目漱石論である。夏目漱石は、ロールモデルを失ってしまったご一新の明治の時代に、誰も大人になり方がわからないなら、自分がやってみせよう、とした「近代日本の最初の大人」だ、というのが内田センセーの示す夏目漱石像である。(そう言えば、夏目漱石の小説にもセンセーが登場するなあ。)

もっとも、私は夏目漱石の悩みがチンプンカンプンで全く判らない。こういうひとはいつまでたっても大人にはなれないのだろう。

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著者:内田 樹
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