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2011年8月23日 (火)

『働かないアリに意義がある』 (長谷川英祐著) 役に立っていないと思われているもの=無駄なもの、ではない

アリの「7割は休んでいて、1割は一生働かない」。アリといえば「アリとキリギリス」の寓話や子どもの頃の夏休みの自由研究などで群れをなしたアリがせっせと獲物を巣に運んでいる姿を観て、働き者というイメージがある。しかし、実は働いているのは3割で残りの7割は働いていない、しかも1割は一生働かない、というのだから驚きである。

だったら働き者の3割だけでアリの社会は成り立つのかというと、そうでもないらしい。働き者ばかりで巣をつくると、やはり7割は働かなくなるそうだ。「働かざる者、食うべからず」と良く言われるが、むしろ「働かざる者」が7割いるからこそ、アリの社会は成り立っているというから、なおさら驚きである。

これはなにを意味しているのか。「平常」に組織を存続させ続けるためには、3割が働いていれば十分である、ということだ。残り7割は「平常」でないとき、つまり「非常」事態になったときのために存在する。そして、組織が存在し続けるためには「非常」事態に対してしっかりと対応できることが求められる。いつも晴れた日だとは限らないのだから。

つまり、役に立っていないと思われているもの=無駄なものではない、ということだ。今は役に立っていないと思われていても、もしかすると、それは将来役に立つものかもしれない。今は無駄なものはすぐに切り捨てるべきだ、という風潮が強いが、短期的にはそれが有効かもしれないが、長期的に見れば、無駄なもの=今は役に立っていないを排除することは組織の存続を危うくしてしまう。

今、政府や企業はとにかく無駄なものを排除しよう排除しようと躍起になっているが、そればかりしていると自分の首を絞めてしまいますよ、ということをアリは教えてくれる。

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