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2011年5月10日 (火)

『カレンダーボーイ』(小路幸也著)  やり直しなんて、実はできないほうが良いのかもしれない

ちょっと変わったタイムスリップの物語。2006年46歳の立派なオヤジが、ある朝目が覚めたら、1968年の小学五年生に逆戻り。しかも、親友の2人が同じ体験をする。つまり、体は子ども、でも頭脳はおとなという、江戸川コナン君みたいな状態なのだ。彼らは2006年と1968年の同じ日をダブルで過ごす。

彼らは1つの小さな実験をする。大好きだった先生の実家が全焼する火事を止めることができるのか。そして、彼らはそれを全焼から小さなボヤに止めることに成功する。

しかし、過去を変えてしまったツケが思わぬところで廻ってくる。

それでも、彼らは救いたかった命があった。小学5年生の同級生で転校していった里美ちゃん。彼らの憧れであった女の子は、一家心中で命を落とす。その事件の影にはあの「三億円事件」が。小学5年生の彼らは3億円の強奪と彼女の命を救おうとするが、、、

思いがけなく切ない幕切れだ。何かをやり直そうとすることは今の選択を犠牲にすることなのだ。そして、今の選択もまたかけがえのない選択であったことに気付かされる。やり直しなんて、実はできないほうが良いのかもしれない。

カレンダーボーイ (ポプラ文庫)Bookカレンダーボーイ (ポプラ文庫)

著者:小路 幸也
販売元:ポプラ社
発売日:2010/12/07
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