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2011年4月 5日 (火)

『極北クレイマー 下』(海堂尊著) 面白おかしいエピソードを詰め込みすぎて、まとまりがなくなっているのが残念

昨日に引き続き、『極北クレイマー』文庫版の下巻である。

この作品は、海堂作品にしては珍しく「まとまりがない」。破綻した自治体がかかえる赤字続きの市民病院、という大きな「入れ物」が、この作品の主眼になっているからだろうか。

例えば、さんざん要望しても改善しなかったトイレの洋式化が、市長の鶴の一声で実現してしまうとか、面白いエピソードがあるのだけれど、とにかく、この病院内で起こるささいなエピソードをとにかくあれもこれもと詰め込んでいるのも、「まとまりがない」という印象を強める。

そして、そういうエピソードを茶化すような作品になっているため、この物語の最大の問題である、「産婦人科医の逮捕」という衝撃的な問題にまったく重みがなくなってしまっている。これは、『ジーン・ワルツ』という作品にもつながるエピソードでもある(ちなみにこの産婦人科医は、映画『ジーン・ワルツ』では、大森南朋さんが演じていた)。海堂ワールドの中でも重要な事件であったはずだものを、あれもこれもと面白おかしいエピソードとごちゃまぜにしてしまっている。これはとってももったいない。このエピソードをもう一度、産婦人科医の立場から、視点を変えて物語を再構築してほしい。

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著者:海堂 尊
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