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2011年1月22日 (土)

演劇『十二夜』 三角関係が四角になると丸く収まる? 

十二夜
作: W.シェイクスピア
翻訳: 松岡和子
演出: 串田和美

この舞台は、『十二夜』の登場人物たちが、コクーンの舞台に現れて、それぞれの役を演じて、そして去っていく、という構成になっている。私たちは他所行きの自分を作らず、ありのままの自分でいたいと思うけれども、現実には、なんだかの役割を”演じながら”生きている。この物語の登場人物たちもまた、自分に与えられた”役”を演じ生きているかのようでもある。

船が難破し、別れ別れになったセバスチャンとヴァイオラの双子の兄妹(松たか子の二役)。男装してシザーリオという小姓となったヴァイオラは、主人の公爵オーシーノに密かに憧れ、オーシーノは恋する伯爵家のオリヴィア)に、想いを拒絶される。ところがそのオリヴィアは、シザーリオにひと目ぼれしてしまい……。

と、見事なまでの恋の一方通行の三角関係が描かれるのが第一部。

第二部では、生き別れになったセバスチャンが登場し、三角関係が四角関係に。見た目が同じ双子ゆえ、取り違いが起こり、ご想像のとおり、てんやわんやの展開になる。

年老いた船長に難破して辿り着いた浜で髪を切ってもらい、もうひとりの自分を演じ始めたことから、この物語は始り、そして、三角関係が四角関係になると、まーるく収まる。悲劇でないシェイクスピアは面白い。

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