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2011年1月31日 (月)

『ひとりでは生きられないのも芸のうち』(内田樹著) 弱肉強食、競争に勝ったものが総取りできるという考えは、無人島では通用しない

「ひとりでは生きられないのも芸のうち」というタイトルは、「おひとりさまの老後」という本の対極を意識してつけたということ。なるほど。

内田センセーは常々「世の中が『自分みたいな人間』ばかりになったときにでも愉快に生きていけるような生き方をする」ことの大切さを言われている。私のような未熟な人間は、”世の中が『自分みたいな人間』ばかり”になるというような想像をすると、うんざりするだろうなあと思う。世の中にはいろいろな人間がいて良いと思うが、全員が全員、「自分のこと」しか考えない人間ばかりの社会という方がゾッとしてしまう。

”無人島ルール”というのが出てくる。自分だけ抜け駆けして自分だけ良ければよい、自分だけ得をしよう、という考えは無人島では通用しない、というものだ。「『無人島では生きられない』ようなルールは『例外的な状況でだけ許される特例』なのである。」
グローバルスタンダードだとか、成果主義だとか言われて、競争に勝つことが是とされ、競争に勝つことがすべて、競争に勝てば総取りできる、ということが盛んに喧伝された。そして、働くのは「自分のため」ということがすっかり定着してしまった。かくして、仕事は自分探しだとか、自分の適性にあった仕事だとか、そういうことが言われるようになった。
競争社会、弱肉強食。それは一見厳しい社会のように思えるが、そういうことが成り立つのは、実は食いっぱぐれのない、安全な社会を、”温室”のようなぬくぬくとした甘っちょろい社会を前提としているのだ。食べることもままならない無人島ではそんなルールは逆に通用しない。自分だけ食えれば良いという考えでは無人島では生きていけないのだ。この逆説は面白い。

競争に勝てば何不自由なくおひとりさまで生きられるかもしれないが、それで生きられるのは自分ただひとりである。自分ひとりだけが生きられる世の中(もはやそれは世の中ではない)よりは、みんなが生きられる世の中の方がより良い世の中ではなかろうか。そういう世の中にするためには、ひとりひとりが「ちょっとだけ」より良く生きる、「ちょっとだけ」他のひとのためにがんばって働くということが大切ではなかろうか。

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著者:内田 樹
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