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2011年1月23日 (日)

映画『完全なる報復』 そもそも私には”司法取引”というものが罷り通ること自体が理解できない

完全なる報復
監督:F・ゲイリー・グレイ

妻子を殺された男。妻子を殺した犯人のうちひとりは”司法取引”によって罪を軽減され、極刑を逃れる。男はその理不尽さに怒り、復讐の鬼と化す。

『ケープフィア』という作品があった。これは、”司法取引”によって自らの罪を重くした弁護士に対して、服役した男が出所後に復讐する物語だった。

この物語の主人公は、彼の妻子を殺した犯人だけでなく、”司法取引”に携わった弁護士や裁判官、判事たちに次々と復讐していく。彼は彼の妻子を殺した犯人を残虐な方法で殺す。彼は捕えられ、監獄に送られるが、彼は監獄にいながら、”司法取引”に関与した者たちを次々に殺していく。

そもそも、私には”司法取引”というものがイマイチ理解できない。罪を犯した者が、自らの罪を軽減するために”取引”ができること自体がよく判らない。罪を犯したものには、それ相応の罰を与えるのが法であると思うし、私たち日本人は聖書に左手を置いて宣誓することはないけれど、日本人は日本人であるためには法を守る、ということを当然としている。そして、時代劇で悪人たちが成敗されるのを是とし、勧善懲悪を国民性として持っている。だから、罪を犯した者がその罰を軽減できるような取引ができること自体が理解できない。

日本でも裁判員制度が始まった。国民のだれもが、その罪に対してどのような罰を与えるべきか、法律の解釈や事例によって判断しなければならなくなった。そこには公正さや厳正さが求められる。人が人を裁くのは難しい。そんなことをふと思った。

(以下、ネタバレ。)
復讐に燃える男は、その炎で自らを燃やすことになる。彼は最後の25秒で、彼は何を懺悔したのだろうか。そして、殺人犯にもう司法取引はしないと誓った男は、その最初に殺人を犯してしまう。彼は自らを罰しなければならないはずなのだが、、、

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