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2010年11月 2日 (火)

『探偵ザンティピーの休暇』(小路幸也著) フーテンのハードボイルド小説

小路幸也といえば、『東京バンドワゴン』シリーズが大好きだ。東京の下町を舞台に、大家族が繰り広げる物語は、かっての古き良き日本のホームドラマを思い起こさせる。小路幸也は、こういう”人情もの”が得意なように思える。

この『探偵ザンティピーの休暇』は、タイトルからして、ハードボイルド小説?と思わせる。主人公は、ニューヨークに事務所を構える元刑事の私立探偵。しかもマルチリンガル。ハードボイルド小説にありがちな設定だ。

そして、彼には日本人と結婚した妹がおり、妹の誘いで、嫁ぎ先である北海道の温泉町を訪れる。と、このあたりから様子が違ってくる。そもそも日本という風土にハードボイルド小説は似合わない。しかも、マルチリンガルの彼は、日本の映画を観て日本語を覚えたという。そう、日本が世界に誇る「寅さん」シリーズを観て! よって、彼の言葉はフーテンの寅の言葉使いである。もう、ハードボイルドの世界は消えてなくなった。

しかし、探偵ものなので、彼の前には白骨死体がある。オンハマという禁忌の浜辺に白骨が埋まっていて、どうもこの事件は、彼の妹の嫁ぎ先と大きく関わっているらしい。かくして寅さんは妹さくらのために立ち上がるわけである。

ミステリィとしてはまだまだだが、流石は寅さん、ハードボイルド人情もの、という新たな形のミステリィとなっている。また、舞台が温泉町というのもミソ。日本のテレビのサスペンスものの主な舞台は、京都か温泉だからだ。ニューヨークやカルフォルニアであれば、カラッとしてハードボイルドが成り立つのだろうが、日本、しかも湯けむりに包まれた温泉町では、そうはいかない。

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