『スマイルズの世界的名著 自助論』(サミュエル・スマイルズ著) この本は、まさに”努力すれば夢はかなう”派のバイブル!
この本は2008年6月に読んだのだが、久々に読みたくなった。
『「スマイルズの世界的名著」という余計な冠がついているが、そんな野暮な文言ほど、この本にふさわしくないものはないだろう。この本は、様々な偉人の言葉やエピソードで満ち溢れているが、「天は自らを助くる者を助く」という冒頭の言葉にすべてが集約されている。「常に勤勉であること」、これが険しくも、唯一の成功への道である。』
以上は、2年半前の感想。ブログを書いていると、こういうときに便利。それはさておき。
この本は、”努力すれば夢はかならずかなう”派にとっては、まさに”バイブル”である。この本に書いてあることは、24時間365日、常に努力を怠らないこと。因果応報、努力すれば成功がついてくる、ということをこの本では、古今東西の偉人などを例にとって述べている。
巷にあふれる、「○○しろ」だの「××するな」といったタイトルのヘタなビジネス書を100冊読むよりは、この『自助論』を読んだ方がそのひとのためである。この『自助論』さえ繰り返し読めば、ビジネス書なんてものは読まなくてもよろしい、と言ってしまっても良いかとも思う。
さて、昨年の所謂、勝間・香山論争から、私は”努力”というものについてずっと考えている。私は努力してもムダだから努力しなくても良いとは言わない。しかし、努力しても夢はかなわないことがあるから、そういうことも想定しておきなさい、と若いひとたちには言いたい。
現在地(今の自分)から目的地(理想の自分)に到達するためにするものが努力というのであれば、例え目的地(理想の自分)に到達しなくても、それは目的地が間違っていたのだと思えばよい。目的地(理想の自分)に向かう途中で、違う目的地を見つけて歩く方向を変えても全然良いわけだし、同時に、あっちにもこっちにも行ってみたい、と思ったっても良い。
自分の可能性さえ信じることができれば、自分は”どこにでも行ける”。目的地はここだと、現在地(まだ自分の可能性を発見していない)で定めないほうが、いろいろなところに行けそうで、面白そうではないか。
しかし、自分の可能性を引き出すのは、”備え”と”蓄え”そして、”意志”である。これらはすぐには身に付かない。それを身につけるためにすることが”努力”というものではないだろうか。
ビジネス書が盛んに喧伝しているような、現在地(今の自分)から目的地(理想の自分)に向かって突き進むことを”努力”とは言わないのではないか、というのが、今時点の私の”努力”というものについての考えである。
![]() | ![]() | スマイルズの世界的名著 自助論 知的生きかた文庫
著者:サミュエル スマイルズ |
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