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2010年11月28日 (日)

映画『アイアンマン』 圧倒的な武力を持てば戦争が終わると考えるのは、あまりにも短絡的で、思いあがりでしかない

今年の夏に『アイアンマン2』が公開され、意外と面白かったので、『1』をDVDで観た。

これは、アイアンマン誕生の物語である。兵器産業の社長にして発明家の主人公は、自社開発兵器のデモンストレーションの帰りに、テロリストに襲撃され、拉致される。そこで新兵器の開発を強要された主人公は、テロリストの目を盗んで、パワードスーツの開発に成功、見事に脱出する。

アメリカに帰った彼は、自分の会社が作った兵器がテロリストたちの手に渡り、アメリカの兵士の命を奪っているという現状を憂い、自社を兵器製造から撤退させると宣言し、自らは、パワードスーツの開発に専念する。しかし、過去はそう簡単に断つことはできない。。。

武器を捨てると宣言した主人公は、結局、最強の武器、アイアンマンを作り出す。最初はそういうつもりではなかったのかもしれないが、それが、最強の兵器になりうることに彼は気づき、そして、彼は、それを兵器として使うようになる。武器を持ては、それを使ってみたくなるのは、悲しいかな、人間のサガだ。

アイアンマンはその圧倒的な武力によって、テロリストたちを沈黙させた。しかし、局地的に勝利したにすぎない。アイアンマンひとりの力によって、戦争が終わることはないし、圧倒的な武力には、それを上回る武力で対抗していくのが、戦争である。いずれにしろ、圧倒的な武力を持てば、戦争が終わる、世界は平和になる、と考えるのは、あまりにも短絡的であり、思いあがりでしかない。

しかし、この思いあがりは、アメリカという国には説得力があるようだ。どこよりも早く核兵器を開発して実用したという”成功体験”がそれを支えているのだろうか。愚かしいことだ。

このアイアンマンと言う物語は、アメリカという国をひも解く上で、いろいろな示唆を与えてくれる。

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