映画『トイレット』 ミシン、餃子、そして、トイレット。生きることはつながっていくこと
『トイレット』
監督:荻上直子
気にはなっていたのだけれど、時間がなかなか合わずに観られなかった映画。といっても、私は荻上直子監督のファンではない(彼女の作品をこれまで観たこともない)。「みんな、ホントウの自分でおやんなさい」という宣伝文句と、『トイレット』というタイトルがどう結びつくのかに興味があった。
家族とこれまで関わりを持とうとしなかった研究者でオタクのレイは、母の死により、何かと実家にいる兄や妹から呼び出されるようになる。兄は天才ピアニストなのだけどパニック障害を起こして引きこもり。妹は生意気で自分探しの真っ最中。そして、家には、センセーという名の猫と英語の通じないばーちゃんがいた。
この映画の”ばーちゃん”は、”ba-chan !” である。英語のイントネーションでばーちゃん。そして、ばーちゃんの最大の謎は、朝トイレから出てきて深いため息をつくこと。
この映画は、家族という近くて鬱陶しい存在も、アメリカと日本という遠くて訳のわからない存在も、例え言葉が通じなくても、結びついていけることを描いている。
その効果的なアイテムが、ミシン、餃子、そして、トイレットだ。すなわち、衣・食・住。日本製の機械、日本人の好む料理、そして、ばーちゃんのため息。
ばーちゃん役のもたいまさこは終始、無言の演技。そして、予想どおり、最後の最後で言葉を発する。その言葉がとってもXXX(敢えて伏字)である。
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