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2010年10月15日 (金)

『ハーバードの「世界を動かす授業」 ビジネスエリートが学ぶグローバル経済の読み解き方』(リチャード・ヴィートー、仲條 亮子著) 自分の周り3メートルだけでなく、広く世界を観よう

ハーバードの人気教官であるリチャード・ヴィートー氏の授業をそのまま書籍化したような本。とはいえ、明らかに日本の読者を意識した展開になっており、これは共著者である仲條亮子氏の働きかけによるものだろう。

最近、アメリカの一流大学やビジネススクールの教授による本が話題になっている。巷にはビジネス書の類の本が溢れ、毎月毎月、飽きもせずに再生産され続けている。その中には、これってどうなのよ、という質の悪いものもあるし、自分のビジネスの宣伝のために本を書いているようなものもある。そういう中で、ビジネス書を読んできたひとは、”本場のもの”、”本当のもの”、”質の高いもの”を求めるようになったのではないか。

そういう流れの中で、マーケットインされたのが本書だろう。

今の世界がどうなっているのかを”浅く”広く俯瞰した授業をそのまま本にしたものであり、本書は、決して”深み”のある本ではない。世界を観るための”基本”を形つくるための本である。

しかし、”浅く”観ることも大切だと私は考える。世界を垂直に観ると同時に、世界を水平に観ることによって、類似や相違が見えてくる。私はあまりカテゴリー分けして観ることは好きではないが、そういう見方によって、その国々がかかえる問題点がより鮮明に見えてくる。
日本のビジネス書は、ノウハウものが多く、自分の周り3メートルの範囲で役立つかもしれないが、アメリカでは、こういう授業をしている。なんなのだろう、この差は。

さて、日本の進むべき道は? 私がこの本で一番気になったのは、”流動性の罠”だ。デフレ脱却論者は、市場にお金をたくさんばらまけ、と言う。お金が大量に供給されれば、ひとびとは消費に向かうと。
しかし、お金があればあるほど、ひとびとはお金を使わなくなる。増税などの将来の不安から、お金が溢れても使うのではなく、貯蓄に回してしまう、というのだ。貯蓄率が下がったとはいえ、今の日本は将来の不安から、お金をなるべく使わない風潮にある。ただお金の供給を増やすだけでは、ダメなのだ。

ハーバードの「世界を動かす授業」 ビジネスエリートが学ぶグローバル経済の読み解き方Bookハーバードの「世界を動かす授業」 ビジネスエリートが学ぶグローバル経済の読み解き方

著者:リチャード・ヴィートー,仲條 亮子
販売元:徳間書店
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