« 『工藤真由 / My way 』 いよいよ、明日(10/27)発売! | トップページ | 『GUNDAM A (ガンダムエース) 2010年 12月号』 祝100号は、0号が付録でお得。そして、THE ORIGINはまさかの展開! »

2010年10月27日 (水)

『三国志〈第6巻〉』(宮城谷昌光著) 赤壁で諸葛孔明は風を起こさなかった

袁紹を倒した曹操は、その勢力範囲を拡大する。だが、曹操の天下を阻む者が登場する。諸葛孔明である。

ここまでの劉備は、恩を仇で返し、戦って負ければ妻子や義兄弟を置き去りにして自分ひとり一目散に逃げる。、転がる石のごとく、あっちこっちを転々とし、地に足がついていない。それなのに、人知を超えた不思議な魅力だけはあり、関羽や趙雲といった優れたひとが彼についていく。

劉備は徐庶と出会い、彼の学友である諸葛孔明を訪ねることになる。「三顧の礼」である。

もし、曹操が徐州で大虐殺を行っていなければ、諸葛孔明は曹操を嫌うことはなかっただろうし、劉備に仕えることもなかっただろう。父の敵討ちとは言え、曹操にとって徐州での大虐殺が、結局、彼の覇権を阻むことになる。

劉備とは、大きな無であり、空である。「天下三分の計」。諸葛孔明の発想とされるこの計画は、曹操の天下を阻むための方法であり、それを実現するためには、大きな無であり空である劉備が必要であった。つまり、劉備は諸葛孔明の傀儡であると言える。

しかし、諸葛孔明が仕えた直後の劉備はまだ鈍い。劉表が倒れ、荊州が獲れる機をみすみす逃がし、彼を慕ってついてくる人民を見捨ててまたひとりでそそくさと逃げる。「長坂の戦い」。劉備の撤退戦で活躍し、親に見捨てられた彼の子を救ったのは趙雲である。

そして、「赤壁の戦い」。物語では諸葛孔明が孫権を説き伏せ、風を起こし、火計を成功させて80万の曹操軍を敗退させた、とされるが、この戦いにおいて、劉備も諸葛孔明も何もしていない。物語では退却する曹操を劉備軍が苦しめ、曹操に恩のある関羽が曹操を窮地から救う(見逃す)とされるが、宮城谷版では、そういう物語はない。それは曹操と孫権軍、周喩や魯粛との戦いであり、勝ったのは周喩である。

さて、諸葛孔明がいよいよ動き出す。地に足が付いていなかった劉備は、荊州南部に勢力圏を築こうとしている。時代は、諸葛孔明によって動かされようとしている。

三国志〈第6巻〉 (文春文庫)Book三国志〈第6巻〉 (文春文庫)

著者:宮城谷 昌光
販売元:文藝春秋
発売日:2010/10/08
Amazon.co.jpで詳細を確認する

« 『工藤真由 / My way 』 いよいよ、明日(10/27)発売! | トップページ | 『GUNDAM A (ガンダムエース) 2010年 12月号』 祝100号は、0号が付録でお得。そして、THE ORIGINはまさかの展開! »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

フォト

他のアカウント

2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

気になる、気になる

  • ざっくばらん坊 on twitter
  • amazon
  • blogram
  • 人気ブログランキング
無料ブログはココログ