映画『カールじいさんの空飛ぶ家』 夢をかなえる素晴らしさと、夢に執着しすぎることの危さを同時に語る映画
敬老の日の前日ということで(?)、『カールじいさんの空飛ぶ家』をDVDで観た。映画館で3Dで観たときも、泣いたが、お部屋の2Dのテレビで観ても泣けた。
今回は、この映画の”悪役”とも言える、冒険家のチャールズ・マンツに注目したい。今、”悪役”と書いたが、かっては、少年カールと少女エリーの憧れの冒険家であり、彼らを結びつけ、彼らの人生を豊かにしたもととなる存在でもある。
しかし、彼は屈辱を味わい、その汚名を晴らそうと、ひとつのことに”執着”する。それが、彼の道を誤らせることになる。
カールじいさんも、一歩間違えば、彼と同じ道を歩むことになっただろう。彼(とエリー)の家に対する”執着”は、それ以外の”大切なこと”を見失いさせかける。自分の”夢”をかなえることに”執着”し、隣人に対する思いやりの心を失いそうになる。
カールじいさんは、踏みとどまった。踏みとどまらさせたのは、やはり泣き妻、エリーのおかげだった。つまり、彼らがこれまで良き人生を歩んできたからだ。
この物語は、夢をかなえる素晴らしさを語るtと当時に、ひとつの夢、ひとつのことに”執着”することの危うさも語っている。そして、その末路は、マンツのように落下していくしかない。
カールじいさんの空飛ぶ家
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