『映画篇』(金城 一紀) 映画はひととひとの絆をつないでいく。映画好きにはたまらない物語だ
映画とは、お伽噺である。映画とは、夢の世界である。そして、この物語は、映画がひととひととの絆を紡ぎだす物語である。
映画はお伽噺である。だからただ楽しめば良いのだが、なにかとリクツをこねたがるひともいる。そういうひとには、こういう物語は降りてこないだろう。
映画にはすべてがある。愛と失恋、友情と裏切り、スリルとサスペンス、笑いと感動、正義と悪、生と死。それゆえに、映画は私たちを魅せてやまない。
8月31日。夏休みも終わるこの日に、『ローマの休日』の上映会がある。『ローマの休日』はこの物語の隠れた主役である。そこに集うひとたちには、そのひとたちの物語がある。そして、この上映会を企画したひとたちにも物語がある。
映画はひととひとの絆をつないでいく。映画好きにはたまらない物語だ。
映画篇 (集英社文庫)
著者:金城 一紀 |
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