『桃尻娘』(橋本治著) 少年はぼーっとしていてなーんにも考えていなくって、少女はいつも何かにムカツキながら内心ブツブツ言い続けている
橋本治の作家デビュー作。ポプラ文庫で復刻。20年ぶりかに読んだ。
今でこそ、ツイッターとかで、”なう”なんて使っているけど、この当時は普通に”ナウじゃん”なんて言ってたんだね。美少年の代名詞が”国広富之”とか。わからないよね。。。
しかし、少年はぼーっとしていてなーんにも考えていなくって、少女はいつも何かにムカツキながら内心ブツブツ言い続けている、という橋本治の洞察はすごい。ホモ小説をこうやって堂々と世に出したこともすごい。
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桃尻娘
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来月(8月)には、続編『その後の仁義なき桃尻娘』も復刻されるそうな。読まねば、だな。
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最近、年取ったなあ〜と思うのは、昔読んだ小説を読むと、その小説世界に入り込まないで俯瞰していること。
『桃尻娘』ならば、「あー、こういうトンがった娘って、昔なら学生運動なんだけど、橋本さんの時代にはちょうどやることがなくなって、やり場のない怒りを抱えると予測されてたんだよね、東大出身者の頭では。でも実際はその後、怒りというより女子大生ブームとか女子高生ブームみたく、怒りなんて無駄なエネルギー使うよか、思考停止して楽しんだが勝ちみたいになって、東大出の頭では理解不能な低レベルでのベクトルになって行ったんだよね、まあ橋本さんの予言より時代と寝ながら論文書いた宮台サンとかのが、しっくりいったって感じ?実は世の中の女子、そんなに何も考えてなかったよ」
みたいに。
やっぱレナはプレミアムレベルの思考力が創造したキャラだなぁと感じるんだなぁ。
投稿: アビィ | 2010年7月24日 (土) 00時40分