『今宵、バーで謎解きを』(鯨統一郎著) 今回はギリシャ神話に見立てた推理ものだが、バカミスはバカミスらしい、大胆なこじつけを期待したい
バー「森へ抜ける道」で役に立たないヤクドシトリオと、謎の美女・桜川東子がギリシャ神話に見立てて名推理を繰り広げる第三弾。
といえば、カッコイイが、やっぱりバカミスはバカミスである。ワインやチーズのウンチクや、ヤクドシトリオの少年時代の思い出話などは、バーというシチュエーションでの会話としては成り立つが、いかんぜん、ウンチクが浅い。
さらに、ギリシャ神話もとってつけたような見立てぶり。バカミスはバカミスらしい、大胆なこじつけを期待したいもの。
この作家ほど、デビュー作が一番良くって、だんだんとその劣化していく作品を発表し続けられるひとも珍しい。それに飽きもせずにつきあっている私も私だが。
![]() | ![]() | 今宵、バーで謎解きを (カッパ・ノベルス)
著者:鯨 統一郎 |
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