シンプル族の反乱
『シンプル族の反乱』
三浦 展 (著)
ベストセラーズ
最近は、帯に”勝間和代オススメ”みたいなことが書いてあってもハズレな本が多い。”勝間和代オススメ”もバーゲンセールすると、神通力も落ちてきたようだ。
この本は、最近の消費トレンドを”シンプル族”というレッテルを貼って論じている。
しかし、著者の論には飛躍が大きいというか、都合のよいように解釈しようとしている傾向を強く感じる。
例えば、著者が”シンプル族”と呼ぶ、ユニクロで服を買う消費者と同じひとが、一膳1万1千円のお箸を買うだろうか、その検証がない。
また、最近は都心の「ヴィンテージマンション」が好まれると著者は言い、「ヴィンテージマンション」を好むひとは”シンプル族”である、というが、そもそも家やマンションを買うひとのうち、どれくらいの割合で「ヴィンテージマンション」が買われているのだろうか。そもそも母数の少ない集団を例にとって、”シンプル族”がトレンド、と論じるのはおかしくないだろうか。
そして、著者は”ユニクロ”や”無印良品”を持ちあげているが、同じ小売りで利益を上げていたり、話題性が高い、例えば、”ニトリ”や”ABCマート”、”フォーエヴァー・21”などは全く取り上げていない。これらは、著者のいう”シンプル族”に支持されない消費トレンドであるから、著者にとっては都合の悪い存在だからだろう。
確かに、自動車は売れていないし、最近の若者は節約傾向にある。また、自分の好きなものに囲まれて暮らしたい、といった意識も高い。
しかし、そういうトレンドは著者のいう”シンプル族”とは何か、根本的に違うように思える。無理やり”シンプル族”などというレッテルを貼ることもないのではないか。
そもそも、”シンプル族”なるものが、”反乱”を起こしているのだろうか。”反乱”というからには、何に対する反乱なのか、何を勝ち取るための反乱なのか、も良くわからない。
そもそも、著者のいうような”シンプル族”は反乱なんか起こさないのではないだろうか。
やっぱり、”シンプル族”という新たな消費トレンドを生み出そうという、都合の良い解釈でしかないように思える。

シンプル族の反乱
三浦 展 (著)
ベストセラーズ
最近は、帯に”勝間和代オススメ”みたいなことが書いてあってもハズレな本が多い。”勝間和代オススメ”もバーゲンセールすると、神通力も落ちてきたようだ。
この本は、最近の消費トレンドを”シンプル族”というレッテルを貼って論じている。
しかし、著者の論には飛躍が大きいというか、都合のよいように解釈しようとしている傾向を強く感じる。
例えば、著者が”シンプル族”と呼ぶ、ユニクロで服を買う消費者と同じひとが、一膳1万1千円のお箸を買うだろうか、その検証がない。
また、最近は都心の「ヴィンテージマンション」が好まれると著者は言い、「ヴィンテージマンション」を好むひとは”シンプル族”である、というが、そもそも家やマンションを買うひとのうち、どれくらいの割合で「ヴィンテージマンション」が買われているのだろうか。そもそも母数の少ない集団を例にとって、”シンプル族”がトレンド、と論じるのはおかしくないだろうか。
そして、著者は”ユニクロ”や”無印良品”を持ちあげているが、同じ小売りで利益を上げていたり、話題性が高い、例えば、”ニトリ”や”ABCマート”、”フォーエヴァー・21”などは全く取り上げていない。これらは、著者のいう”シンプル族”に支持されない消費トレンドであるから、著者にとっては都合の悪い存在だからだろう。
確かに、自動車は売れていないし、最近の若者は節約傾向にある。また、自分の好きなものに囲まれて暮らしたい、といった意識も高い。
しかし、そういうトレンドは著者のいう”シンプル族”とは何か、根本的に違うように思える。無理やり”シンプル族”などというレッテルを貼ることもないのではないか。
そもそも、”シンプル族”なるものが、”反乱”を起こしているのだろうか。”反乱”というからには、何に対する反乱なのか、何を勝ち取るための反乱なのか、も良くわからない。
そもそも、著者のいうような”シンプル族”は反乱なんか起こさないのではないだろうか。
やっぱり、”シンプル族”という新たな消費トレンドを生み出そうという、都合の良い解釈でしかないように思える。

シンプル族の反乱
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