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2009年8月15日 (土)

下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉

『下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉』
内田 樹 (著)
講談社文庫

内田樹の本の中では、この本が一番。

なぜ子供は学ばなくなったのか、なぜ若者は働かなくなったのか、をこれほど明快に解き明かした本を私は寡聞にして知らない。

その2つの問いの答え、問題の根源は、「子どもたちは就学以前に消費主体として自己を確立している」とし、消費者マインドで教育や労働と対峙する結果、教育や労働に”等価交換”を求める。
そもそも教育や労働は”等価交換”を要求できる場ではないのだけれど、消費者マインドが染みついている子どもや若者はそれが理解できない。だから、勉強しない、働かない、という結論を当然のごとく、導きたしてしまう。

勉強する機会があるのに勉強しない、働く機会があるのに働かない、という志向は結局、彼らの未来を犠牲にしてしまい、それが格差を生んでいるのだが、しかし、それを”自己責任”と言い放ち、放置し救済しないのはおかしいだろう、と著者は言う。
そういう若者には、できるだけ”おせっかい”をやき、それでも下流に落ちてしまったひとたちは私たちの税金で救済すべきだと。

”自己責任”という経済市場主義者にとって都合の良い思想が蔓延しているが、個がリスクをとってその見返りを得るのを最良とする(個がリスクをとった結果損失を被っても自己責任だから仕方ないとする)社会よりも、集団がリスクをヘッジしてリターンもロスも分かち合う社会の方が、私は日本的であるし、理想だと思う。





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