史観宰相論
『史観宰相論』
松本 清張 (著)
ちくま文庫
松本清張による、宰相論。氏は宰相のルーツを大久保利通に求める。
大久保が富国強兵を推し進めた。
そして、大久保に続くのが伊藤博文と山県有朋であり、伊藤が国会が軍部に口出しできない憲法を作り、山県が軍人勅諭と官僚制の元を作った、というのが興味深い。すでにこの時から軍と官僚の独走の下地ができていたわけだ。
そして、最後の元老、西園寺公望。天皇に宰相を上奏する、いわばキングメーカーをたったひとりで担ってきた。しかし、そこで作られる宰相たちはどれもこれも優柔不断で軍部の独走を止められない。
そして、戦後。軍部が滅び、政治家が公職追放を受ける中、官僚だけが生き残る。そして、官僚の頂点として、吉田茂(今の総理大臣のお祖父さん)が君臨する。
そして、現代に至る。
こうしてみると、官僚はいつの時代もしぶとく生き残り、そして、今や、政治家の劣化が著しい。
今の総理大臣とそのお祖父さんを比べると、ため息が出てくる。

松本 清張 (著)
ちくま文庫
松本清張による、宰相論。氏は宰相のルーツを大久保利通に求める。
大久保が富国強兵を推し進めた。
そして、大久保に続くのが伊藤博文と山県有朋であり、伊藤が国会が軍部に口出しできない憲法を作り、山県が軍人勅諭と官僚制の元を作った、というのが興味深い。すでにこの時から軍と官僚の独走の下地ができていたわけだ。
そして、最後の元老、西園寺公望。天皇に宰相を上奏する、いわばキングメーカーをたったひとりで担ってきた。しかし、そこで作られる宰相たちはどれもこれも優柔不断で軍部の独走を止められない。
そして、戦後。軍部が滅び、政治家が公職追放を受ける中、官僚だけが生き残る。そして、官僚の頂点として、吉田茂(今の総理大臣のお祖父さん)が君臨する。
そして、現代に至る。
こうしてみると、官僚はいつの時代もしぶとく生き残り、そして、今や、政治家の劣化が著しい。
今の総理大臣とそのお祖父さんを比べると、ため息が出てくる。

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