アメリカ型成功者の物語
『アメリカ型成功者の物語―ゴールドラッシュとシリコンバレー』
野口 悠紀雄 (著)
新潮文庫
150年前のカリフォルニアに起きたゴールドラッシュで、儲けたのは金を掘ったひとたちではなく、金を掘ったひとたちの需要を掘りだしたひとたち(駅馬車業者、衣料品屋、銀行家、鉄道家)だったという事実にまず驚いた。
そして、成功した鉄道家が大学(スタンフォード大学)を創設し、そしてそれが温床となって、シリコンバレーのITベンチャーの成功者を次々に生み出していく。この脈々と流れるダイナミズムを明確に語っている。
そして著者は、日本は失敗者の道を歩んでいると語る。著者のいう”1940年体制”という古いパラダイムから抜け出せないことが失敗の元凶であり、それを打破するのは、個人の力であり、ベンチャー精神、ひとと同じことをしない(メジャー路線を追いかけるのではなく、メジャー路線の需要を喚起する)ことだと説く。
お国柄、その国の歴史というものがあり、アメリカ西海岸の成功者の例をそのまま日本に当てはめることは困難ではないかとも思うが、気づきの多い本であることは間違いない。

アメリカ型成功者の物語
野口 悠紀雄 (著)
新潮文庫
150年前のカリフォルニアに起きたゴールドラッシュで、儲けたのは金を掘ったひとたちではなく、金を掘ったひとたちの需要を掘りだしたひとたち(駅馬車業者、衣料品屋、銀行家、鉄道家)だったという事実にまず驚いた。
そして、成功した鉄道家が大学(スタンフォード大学)を創設し、そしてそれが温床となって、シリコンバレーのITベンチャーの成功者を次々に生み出していく。この脈々と流れるダイナミズムを明確に語っている。
そして著者は、日本は失敗者の道を歩んでいると語る。著者のいう”1940年体制”という古いパラダイムから抜け出せないことが失敗の元凶であり、それを打破するのは、個人の力であり、ベンチャー精神、ひとと同じことをしない(メジャー路線を追いかけるのではなく、メジャー路線の需要を喚起する)ことだと説く。
お国柄、その国の歴史というものがあり、アメリカ西海岸の成功者の例をそのまま日本に当てはめることは困難ではないかとも思うが、気づきの多い本であることは間違いない。

アメリカ型成功者の物語
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