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2009年1月29日 (木)

マイクロソフト戦記

『マイクロソフト戦記―世界標準の作られ方』
トム佐藤 (著)
新潮新書

会社の同僚が頭を抱えて悩んでいて、何事かと聞いてみると「お客さんがWindows3.1を使ってるんですよぉ」という答えが返ってきた。うわぁ。

この本は、マイクロソフト社がWindows3.0で、”ディファクト・スタンダード”になるまでを、インサイダーの立場から描写した本である。各章で1回くらいの割合でビル・ゲイツ氏が激怒するので、それだけでも面白い。

しかし、Windowsが”ディファクト・スタンダード”になるために、マイクロソフト社もしくはビル・ゲイツ氏に、戦略があったとは思えない。競合相手が自滅したり、ビル・ゲイツ氏はことあるごとにブチ切れているし、マイクロソフト社内でも勝ち組負け組を作ってしまった。この著者自身も、そんな消耗戦に巻き込まれた感もある。
ただ、自分のOSを”ディファクト・スタンダード”にする、というビル・ゲイツ氏の揺るぎない意志があり、度重なる幸運がビル・ゲイツ氏に味方したからこそ、Windowsが”ディファクト・スタンダード”になったのだ。

”ディファクト・スタンダード”は”最大多数の最大幸福”を実現する、と著者は言う。そして、マイクロソフト社はそれを実現した、と。

私たちはもはや”ディファクト・スタンダード”たるWindowsなしでは仕事ができず、Windowsの恩恵を受けているのも確かだけれど、しかし、同時に私たちはWindows以外の選択肢がないから、仕方なく、Windowsを使っている、という面もないことはない。Windows以外でWindowsよりも優れた、OSがあれば、そっちを使いたい、という思いもないことはない。
初期の頃のWindowsのフリーズでそれまでの仕事がブッとんだり、Windowsのバージョンアップでソフトウェアが動かなくて無駄な出費を余儀なくされたり、そのたびに「おのれ、ビル・ゲイツめ!」と世界中で叫んだユーザーは何億人といるはずだ。

”最大多数の最大幸福”は、”最大多数の最大不幸”をもたらすこともありうるのではないか? そして、”ディファクト・スタンダード”たるマイクロソフト社には、そういう内省と誠実さをもって事業を行う義務があるのではないだろうか。


マイクロソフト戦記


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