桜の森の満開の下・白痴 他十二篇
『桜の森の満開の下・白痴 他十二篇』
坂口 安吾 (著)
岩波文庫
岩波文庫のアンゴ第二弾は、小説編。アンゴの出世作「風博士」から、アンゴの代表作ともいえる「白痴」「桜の森の満開の下」等を収録。
私は「堕落論」よりも先に「桜の森の満開の下」「夜長姫と耳男」などを読んでアンゴを読みだしたので、アンゴの小説は、エッセイ・評論よりも好きなのです。
ハテのない桜の花の満開の下の冷たい空気だとか、「好きなものは呪うか殺すか争うしかしなければならない」という夜長姫の笑顔だとか、そういう世界が好きなのです。
また、「戦争と一人の女」の、焼夷弾が降り注ぐ中、棲み家の火を消す野村と女の姿が好きだし、「恋をしにいく」の、抱き合ったまま部屋の中をごろんごろんと転がり回る谷村とノブちゃんの姿が好きだ。
「恋をしにいく」の観念的な恋というのが、アンゴの不器用さを物語っているようで、私はこの作品が愛おしい。
また、「アンゴウ」という小品は、アンゴらしくない作品なのだけれど、これも涙が出るほど好きです。

桜の森の満開の下・白痴 他十二篇
坂口 安吾 (著)
岩波文庫
岩波文庫のアンゴ第二弾は、小説編。アンゴの出世作「風博士」から、アンゴの代表作ともいえる「白痴」「桜の森の満開の下」等を収録。
私は「堕落論」よりも先に「桜の森の満開の下」「夜長姫と耳男」などを読んでアンゴを読みだしたので、アンゴの小説は、エッセイ・評論よりも好きなのです。
ハテのない桜の花の満開の下の冷たい空気だとか、「好きなものは呪うか殺すか争うしかしなければならない」という夜長姫の笑顔だとか、そういう世界が好きなのです。
また、「戦争と一人の女」の、焼夷弾が降り注ぐ中、棲み家の火を消す野村と女の姿が好きだし、「恋をしにいく」の、抱き合ったまま部屋の中をごろんごろんと転がり回る谷村とノブちゃんの姿が好きだ。
「恋をしにいく」の観念的な恋というのが、アンゴの不器用さを物語っているようで、私はこの作品が愛おしい。
また、「アンゴウ」という小品は、アンゴらしくない作品なのだけれど、これも涙が出るほど好きです。

桜の森の満開の下・白痴 他十二篇
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コメント
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TITLE: Re:桜の森の満開の下・白痴 他十二篇
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あけましておめでとうございます。
明日から仕事で大変憂鬱ですが、安吾の話題を見て、少し気持ちを奮い立たせることができた…できる…かも…
今年も楽しませていただきます。
投稿: アビィ | 2009年1月 5日 (月) 00時31分
TITLE: あけましておめでとうございます。
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あけましておめでとうございます。>アビィさん
私も今日(1/5)が仕事始めでしたが、初日からドタバタして前途多難な幕開けとなってしまいました。
今年もよろしくお願いします。またコメントお願いします。
投稿: ざっくばらん坊 | 2009年1月 5日 (月) 23時29分