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2009年1月 2日 (金)

堕落論・日本文化私観 他二十二篇

『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』
坂口 安吾 (著)
岩波文庫

2009年最初の本は、坂口安吾です。

昨年、岩波文庫から立て続けに3冊出版されて、その3冊(『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』『桜の森の満開の下・白痴 他十二篇』『風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇』)を持って帰省し、年末年始はアンゴ三昧と洒落込んだものの、グータラな正月を迎えてしまい、結局、1冊しか読めませんでした。

この本は、アンゴのエッセイ・評論集です。アンゴと言えば「堕落論」という方も多いでしょう。ここに収録された24編は、アンゴのエッセイ・評論の入門編としてはなかなか良いのではないでしょうか。

また、年代順にも並んでいるので、アンゴの思索の変遷を辿ることも楽しいです。

初期の頃は、「FARCEについて」など、文学にかける思いが綴られており、「文学のふるさと」がその集大成ともいえるでしょう。

「日本文化私観」「青春論」「堕落論」「悪妻論」までの続く流れは”自我”への探究。体制(今風にいえば時代の空気)に要求される姿ではなく、人間として生きること、ただ生きぬくこと。アンゴの妥協のない、もがき苦しみながらも”生きる”姿が胸に突き刺さります。

「教祖の文学」や「不良少年とキリスト」はアンゴの集大成とも言えるエッセイと言えるでしょう。また、全集未収録の「武者ぶるい論」「インチキ文学ボクメツ雑談」が収録されているので、アンゴはひととおり読んだという方も、この岩波文庫版を手に取ってみるのも良いと思います。

アンゴは時代の変わり目には必ずブームが来ると言われていますが(学生運動の終わり、高度成長・バブル経済の終わり、等)、未曾有の世界経済危機と言われる昨今もまた時代の変わり目なのかもしれません。自分の周りの世界が揺らぎ、自我を見失いそうな時代にこそ、「生きよ、堕ちよ」という言葉が心に響くのであろうと思います。

なお、表紙の写真は、みなさんおなじみの、あのアンゴの写真です。


堕落論・日本文化私観 他二十二篇


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