ローマから日本が見える
『ローマから日本が見える』
塩野 七生 (著)
集英社文庫
「ローマ人の物語」の著者によるローマ、そして日本の考察。
私は高校で世界史を習っていない。私にとって高校の世界史はカタカナの暗記に思えたし、興味のないことを暗記したくもなかったので世界史を取らなかった。したがって、全くの世界史オンチである。
そういうシロートの私にとって、全体の8割を占める、ローマという国家の始まりから帝政への移行までの流れのダイジェストは面白く読めた。
しかし、肝心の「ローマから日本が見える」はいただけない。
「最後に勝つのは百姓」なのだから、リーダーの素質をそなえた指導者に任せれば良い、と作者は言うけれど、今の日本には”元老院”たるリーダーの素質を切磋琢磨する人材のプールは、ない。コイズミとかいうひとがぶっ壊してしまった。カエサルのようなリーダーを生む土壌が日本にはなくなってしまっているのだ。
そういう観点から私は、優れたリーダーにすべてを託すのではなく(そういう希望を抱くのではなく)、衆知を結集する方向でこれからの日本は進むできだと思っている。

ローマから日本が見える
塩野 七生 (著)
集英社文庫
「ローマ人の物語」の著者によるローマ、そして日本の考察。
私は高校で世界史を習っていない。私にとって高校の世界史はカタカナの暗記に思えたし、興味のないことを暗記したくもなかったので世界史を取らなかった。したがって、全くの世界史オンチである。
そういうシロートの私にとって、全体の8割を占める、ローマという国家の始まりから帝政への移行までの流れのダイジェストは面白く読めた。
しかし、肝心の「ローマから日本が見える」はいただけない。
「最後に勝つのは百姓」なのだから、リーダーの素質をそなえた指導者に任せれば良い、と作者は言うけれど、今の日本には”元老院”たるリーダーの素質を切磋琢磨する人材のプールは、ない。コイズミとかいうひとがぶっ壊してしまった。カエサルのようなリーダーを生む土壌が日本にはなくなってしまっているのだ。
そういう観点から私は、優れたリーダーにすべてを託すのではなく(そういう希望を抱くのではなく)、衆知を結集する方向でこれからの日本は進むできだと思っている。

ローマから日本が見える
« ラヴ&ハピネス | トップページ | Nice Middle »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 【安吾を読む】『木枯の酒倉から 聖なる酔つ払ひは神々の魔手に誘惑された話』「俺の行く道はいつも茨だ。茨だけれど愉快なんだ。」(2014.07.11)
- 『金融緩和の罠』(藻谷浩介・河野龍太郎・小野善康著、萱野稔人編)金融緩和より雇用を増やすことこそがデフレ脱却の道。(2014.07.10)
- 『ひとを“嫌う”ということ』(中島義道著)ひとを「嫌う」ということを自分の人生を豊かにする素材として活用すべき。(2014.07.09)
- 【安吾を読む】『街はふるさと』「ウガイをしたり、手を洗ったりして、忘れられないようなことは、私たちの生活にはないのです。」(2014.07.08)
- 『天災と日本人 寺田寅彦随筆選』(寺田寅彦著,山折哲雄編)地震や津波といった天災からこの国を守ることこそが「国防」である。(2014.07.04)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント