リピート
『リピート』
乾 くるみ (著)
文春文庫
この本を読んでいて、最初に思ったのは、「もし、自分が過去に行って、自分の過去をやり直すことができるとして、果たして自分は過去に行きたいのだろうか?」という疑問である。登場人物たちが、過去に行きたいと思う、まずその理由というか、欲求がまず、理解できなかった。
もちろん、私はわが人生に一点の悔いなし、と仁王立ちで死ねるほど、立派な人生を歩んでいるわけではない。しかし、過去に行ってやり直したいか、と言われると、どうもやりなおしたいとは思えない。
この主人公にしても、何故、過去に行って自分の人生をやり直したいのか、まず、動機が見えない。しかも過去といっても10か月前、である。彼に起きた大きなイベントと言えば、彼女にこっぴどくふられた、くらいで、彼女とよりをもどしたい、というわけでもない。
そういう疑問が最初に頭に浮かんだために、いまいち物語に入って行けなかった。まあ、私は前向きに生きているのだ、と言い聞かせておこう。
しかし、この作者は、浅はかな愚かな若い男と、したたかでずる賢い若い女、という構図が好きだなあ。まあ、若いカップルというのは、だいたいこのパターンに当てはまらなくもないが。
乾 くるみ (著)
文春文庫
この本を読んでいて、最初に思ったのは、「もし、自分が過去に行って、自分の過去をやり直すことができるとして、果たして自分は過去に行きたいのだろうか?」という疑問である。登場人物たちが、過去に行きたいと思う、まずその理由というか、欲求がまず、理解できなかった。
もちろん、私はわが人生に一点の悔いなし、と仁王立ちで死ねるほど、立派な人生を歩んでいるわけではない。しかし、過去に行ってやり直したいか、と言われると、どうもやりなおしたいとは思えない。
この主人公にしても、何故、過去に行って自分の人生をやり直したいのか、まず、動機が見えない。しかも過去といっても10か月前、である。彼に起きた大きなイベントと言えば、彼女にこっぴどくふられた、くらいで、彼女とよりをもどしたい、というわけでもない。
そういう疑問が最初に頭に浮かんだために、いまいち物語に入って行けなかった。まあ、私は前向きに生きているのだ、と言い聞かせておこう。
しかし、この作者は、浅はかな愚かな若い男と、したたかでずる賢い若い女、という構図が好きだなあ。まあ、若いカップルというのは、だいたいこのパターンに当てはまらなくもないが。
« 相性の悪いお店で買い物はしない | トップページ | カナリヤは眠れない »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 【安吾を読む】『木枯の酒倉から 聖なる酔つ払ひは神々の魔手に誘惑された話』「俺の行く道はいつも茨だ。茨だけれど愉快なんだ。」(2014.07.11)
- 『金融緩和の罠』(藻谷浩介・河野龍太郎・小野善康著、萱野稔人編)金融緩和より雇用を増やすことこそがデフレ脱却の道。(2014.07.10)
- 『ひとを“嫌う”ということ』(中島義道著)ひとを「嫌う」ということを自分の人生を豊かにする素材として活用すべき。(2014.07.09)
- 【安吾を読む】『街はふるさと』「ウガイをしたり、手を洗ったりして、忘れられないようなことは、私たちの生活にはないのです。」(2014.07.08)
- 『天災と日本人 寺田寅彦随筆選』(寺田寅彦著,山折哲雄編)地震や津波といった天災からこの国を守ることこそが「国防」である。(2014.07.04)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント