なぜ人類は五つの大陸で異なる発展をとげたのか。アメリカ大陸の先住民はなぜ、旧大陸の住民に征服されたのか。なぜ、その逆は起こらなかったのか。1万3000年にわたる人類史の謎を紐解こうとする本。
学校で習う世界史とは、すなわち西洋人の歴史である。西洋と西洋人を中心とした歴史であり、それは、人類の主役は西洋人だと「錯覚」させる。1万3000年前にアフリカ大陸で誕生した人類は、ユーラシア大陸を横断し、アメリカ大陸やオーストラリア大陸へ移っていった。その土地土地では豊富な野生動物がいたかもしれないし、家畜としやすい動物がいたかもしれない。穀物の栽培に適した土地だったかもしれないし、穀物の栽培には適さない土地だったかも知れない。すべては環境、そしてその環境に人間がどう対応したか、によって決まる。
西洋人は、アメリカ大陸の先住民たちを駆逐し、征服した。この点をもって、西洋人が他の大陸に住んでいた人間たちよりも優れていると思い込みがちだ。特に、日本人は西洋コンプレックス、西洋人に対するコンプレックスが強い。西洋人の方が自分たちより優れていると思いこんでいる。しかし、果たしてそうか。西洋人だから優れている、と何をもって言うことができるのか、この本を読んで、そういう思い込みを捨て去るべきではないか、と思わずにはいられない。
映画『ポテチ』
監督:中村義洋
伊坂幸太郎の中短編集『フィッシュストーリー』に収録されている『ポテチ』という作品の映像化。
同じ日、同じ場所で生まれた2人の青年。ひとりは空き巣の今村(濱田岳)。もうひとりは高校野球のスターでプロ野球選手の尾崎。今村は恋人の若菜(木村文乃)と尾崎の部屋に空き巣に入る。そこへ女の子から尾崎に助けを求める電話がかかってくる。今村は尾崎の代打としてその女の子を助けようとするが、、、
大森南朋が良い味を出している。大森南朋が出ているだけで、この映画、面白いに違いないと思えるくらい、このひとは存在感がある。万有引力の法則やピタグラスの定義などを次々と発見する主人公も凄いけれども。
誰もがかけがえのない人でありたいと思う。しかし、「かけがえのない」とは自分にとって、ではなく、誰かにとって、である。ただ、野球のホームランは、ただボールが遠くに飛んでいくだけなのに、どうして人は感動するのだろう。そんな単純なことをただ、ただ、見せてくれる。
ちなみに、この映画には、竹内結子が一瞬だけ出演しているそうです。私は見逃してしまいましたが(笑)、これからこの映画を観るひとは、見逃すな!
国立新美術館に「セザンヌ―パリとプロヴァンス」展を観に行ってきました。先週、国立新美術館に「大エルミタージュ美術館展」を観に行ったばかりですが(笑)、赤坂からの帰り道だったので、乃木坂でぶらり途中下車。
↓恒例のカンバンをパシャリ。

このセザンヌ展は、展示されている絵画はすべてセザンヌの作品です。よく「○○展」と銘打っていても他の画家の作品が混ざるものがありますが(十数点しか作品を残さなかったフィメールとか)、この展示会は看板に嘘偽りなしです。
セザンヌと言えば、美術の教科書に出てきたリンゴの静物画ですね。正直に言って、セザンヌの人物画は「人間らしきもの」が描かれているだけで、他の画家と比べると見劣りします。風景画も、水平線と三角形の構図のものばかり。普通、絵は手前にあるものははっきりと、遠くのものはぼかして描かれるものですが、手前にある木々の葉っぱがどれもぼかして描かれている。風景に奥行きがなくって、画家の好きな構図の中に風景が押し込められている感じです。それに比べて静物画はしっかり描かれています。リンゴには重量があり、今にも転げ出しそうです。
この展示では、セザンヌのアトリエが再現されていたり、静物画のモチーフとなったオボジェとか、最後に使ったパレットが展示されています。こういうものを観ると、この画家が実際に生きていたんだなあ、と感じることができます。
『ロミオ&ジュリエット』
2012年4月29日(日・祝)~5月27日(日)
赤坂ACTシアター
演出:ジョナサン・マンビィ
出演:佐藤健、石原さとみ、賀来賢人、菅田将暉、尾上寛之、姜暢雄、石野真子、長谷川初範、キムラ緑子、橋本さとし
赤坂サカスにある赤坂ACTシアターに『ロミオ&ジュリエット』を観に行ってきました。
↓恒例のカンバンをパシャリ。

誰もがなんとなくはあらすじくらいは知っているウィリアム・シェイクスピアの悲恋物語。ロミオは演劇初出演・初主演の佐藤健。シェイクスピア的な”芝居ががった”台詞も、彼のようなイケメン君が口にするとまあ、様になりますね。イケメン君の特権ですね。
芝居は、佐藤健と石原さとみの口上から幕を開ける。ああ、私たちが良く知っている、お馴染みのロミオとジュリエットのストーリーが展開するのだなあ、となんだか安心する。しかし、私は安心して演劇を観たくない。わくわくドキドキしながら観たいのだ。
14世紀イタリアの都市ヴェローナ。モンタギュー家とキャピュレット家という二つの敵対する家の間では争いが絶えなかった。モンタギュー家の一人息子ロミオ(佐藤健)はある夜、友人たちに誘われ、キャピュレット家の仮面舞踏会に忍び込み、そこでモンタギュー家の一人娘ジュリエット(石原さとみ)に出逢い、二人は瞬く間に恋に落ちる。ロレンス神父(橋本さとし)の助けを得た二人は密かに結婚の誓いを交わすが、ロミオは友人のマキューシオを殺されて逆上し、ジュリエットの従兄ティボルトを殺してしまう。そして、ロミオは死罪をまぬがれるものの、ヴェローナから追放されてしまう。ここまでが第一幕。
第二幕は、ジュリエットがパリス伯爵と結婚させられそうになり、ロレンス神父に相談に行く。ロレンス神父はジュリエットに仮死状態になる薬を渡し、ロミオにジュリエットを迎えに来るように手紙を託す。しかし、その手紙はロミオには届かず、ジュリエットが自殺した、という知らせだけが届く。ロミオはジュリエットの眠る霊廟で死ぬことを決意しヴェローナに戻る。ロミオは霊廟でパリス伯爵と争い殺してしまう。そして、自分も毒薬で自殺する。ジュリエットが目ざめたとき、その傍らには死んだロミオの姿。ロミオを追い、ジュリエットはナイフを胸に突き自殺する。若い二人の死を憐れんだモンタギュー家とキャピュレット家の両家は和解し、めでたしめでたし、となる。
若い二人の命と引き換えに、長年憎しみ合ってきたモンタギュー家とキャピュレット家は和解する。この芝居の結末は、和解であり、若い二人の犠牲の上に、憎しみの連鎖が断ち切られた、ということが言いたいのかのように思える。しかし、憎しみの連鎖を断ち切る、というのであれば、友人を殺されたロミオが自重してジュリエットの従兄ティボルトを殺さなければ、そこで断ち切れていたはずである。むしろ、ロミオが憎しみの連鎖を断ち切れなかったことが、ジュリエットの命を奪った、と言うべきだろう。
ロミオとジュリエットの物語は、私は悲劇なのか喜劇なのか、よくわからない。そのわからなかった謎が、この舞台を観てやっと解けた。それは、ロミオもジュリエットも「幼い」からだ。「幼い」がゆえに、一目で恋に落ちる(ロミオはジュリエットに出会うまで他の女性を心に抱いているのにもかかわらず、である)。バルコニーの上と下で恋を語りあい、それがどういうことになるのかをあまり考えずに結婚の誓いを交わす。激情にかられてナイフを振りまわし、その挙句に決定的にこの恋を叶わぬものにしてしまう。神父の企てに乗り、怪しげな薬を飲んでしまう。愛するひとが死んだから毒薬を飲むし、自分の胸にナイフを突き立てる。
まるっきし、後先考えず、自分の身の中に宿った感情だけで動いている。感情だけで動くのは、幼い子供と同じだ。石原さとみのジュリエットが見事にそれを私たちに見せてくれる。
なお、この芝居には歌手として、多和田えみさんが出演している。彼女の歌う劇中歌もこの芝居の見どころならぬ聴きどころ、である。
『episode 1』(池田彩)
池田彩 / episode 1 【CD Maxi】 |
1.伝心
2.Road
3.Treasure Map!!
4.ありがとうの花
5.Story
6.To Be Free
7.Challange
8.Unlimited
現在放送中のアニメ『スマイルプリキュア!』のオープニングテーマ「Let's go!スマイルプリキュア!」を歌う池田彩さんのファースト・アルバム。しかし、このアルバムにはプリキュアの曲は収録されていない。プリキュアだけでない、歌手として幅広く、末長く活動していこうという意思が強く感じられる。
楽曲は、それこそアニメのオープニングやエンディングで使われてもおかしくない、威勢が良くノリの良い、ロックテイストな楽曲が並ぶ。アニソン歌手はカラオケで歌うひとが多いが、池田彩さんはライブではプリキュア以外の楽曲はバンドを従えて歌う。
そんな池田彩さんのライブは、5/20(日)渋谷Star loungeにて。そして、なんと、ライブには糸あゆみさんが、コーラスで参加するそうです! コーラスは初挑戦だそうです。こちらも楽しみ。
チケットはこちらから → イープラス
↓池田彩 1st Album & ワンマンライブ "episode 1" プロモーションビデオ
PVで歌っているのはアルバムの2曲目「Road」という曲です。
冒頭で、「巨大な部屋」の寓話が出てくる。私たちは巨大な部屋の中にいる。その部屋では、私たちは否応なく、「つながり」を求められるし、求めている。インターネットが普及し、メールやブログにくわえ、ツイッターやフェイスブックなど、私たちはネットで「つながった」生活はどんどん忙しくななっている。私たちが望もうが望まないが、いずれにしろ、私たちあてのメールは否応なく私たちに届く。ネットは常に「お薦め」の情報や商品を私たちに売り込もうと躍起になっているし、勝手に「あなたと嗜好が良くにているひと」「あなたと関係のあるひと」を探り当ててくれる。まったく余計なお世話なのだけれど、とにかく、私たちはネットにつながれて生活しているし、そのつながりを断ち切ることも日に日に難しくなってきている。
つながることは良いことなのだろうか? 私たちが求めることだけに答えを与えてくれるネットは、私たちに深く考えることを捨てさせるし、偶然に出会うかもしれない知との出会いのチャンスすら捨てさせる。社長が「やりましょう」とつぶやけば即実行しなければならない会社もあるそうだが、メールやツイッターなどは、私たちの思考や行動を受動的にさせるし、そういうものに追い立てられて、深く、じっくりと考えることができなくなってしまっている。常にパソコンのディスプレイを覗きこんでいるのが仕事をしているように見えて、パソコンのディスプレイを見ずに深くじっくりと考えていると仕事をしていないように思われかねない。
つながることは良いことなのだろうか? ギリシア時代から、新しいテクノロジが登場するたび、人類はそれとどう付き合うか、模索を余儀なくされる。この本ではプラトンに始まって、古今東西の賢人たちが新しいテクノロジとどう向き合ってきたかを紹介している。
一昔前はだらだらとテレビを観ているとバカになると言われたものだ。パソコンやスマートフォンをひっきりなしにいじっているのは賢く見えるだろうか。スマートフォンをいじりながら下を向いて歩いているひとの姿を観て、私は決してそれがスマートだとは思えない。
何か「目的」をもって「つながらない」ということは、勇気がいるかもしれないが、試す価値はあるかもしれない。
『MDNA』(マドンナ)
ディスク:1
1. Girl Gone Wild
2. Gang Bang
3. I'm Addicted
4. Turn Up the Radio
5. Give Me All Your Luvin' ft. Nicki Minaj & M.I.A.
6. Some Girls
7. Superstar
8. I Don't Give A ft. Nicki Minaj
9. I'm A Sinner
10. Love Spent
11. Masterpiece
12. Falling Free
ディスク:2
1. Beautiful Killer
2. I F**cked Up
3. B - day Song ft. M.I.A.
4. Best Friend
5. Give Me All Your Luvin' (Party Rock Remix) ft. LMFAO & Nicki Minaj
マイケル・ジャクソンと並び、世界で最も成功したエンタティナーと称されるマドンナのニューアルバム。50歳を超えてもなお、マドンナは元気だ。このアルバムは、これまでのマドンナの音楽の集大成をベースに、しかし、刺激的で新鮮で、先端の音楽を作りだしている。マドンナほど、洗練という言葉がふさわしいエンタティナーはいないかもしれない。
機動戦士ガンダムの1年戦争の裏側を描いたCGアニメ作品。全9話収録のDVDボックスでお安くなった。(と言うか、そもそもの価格設定がお高いのですが。)
■「機動戦士ガンダム MSイグルー -1年戦争秘録-」
第1話「大蛇はルウムに消えた」
第2話「遠吠えは落日に染まった」
第3話(最終話)「軌道上に幻影は疾る」
■「機動戦士ガンダム MSイグルー -黙示録0079-」
第1話「ジャブロー上空に海原を見た」
第2話「光芒の峠を越えろ」
第3話(最終話)「雷鳴に魂は還る」
■「機動戦士ガンダム MSイグルー2 重力戦線」
第1話「あの死神を撃て!」
第2話「陸の王者、前へ!」
第3話(最終話)「オデッサ、鉄の嵐!」
「1年戦争秘録」と「黙示録0079」はジオン軍の兵器開発にまつわる逸話。「1年戦争秘録」は、開戦当初、機動性のあるモビルスーツが兵器の主流となる中、陽の目を浴びることになかった巨大ビーム砲や戦車、ザクとの開発競争に敗れたモビルスーツが登場する。「黙示録0079」の舞台はジオン軍が劣勢となった戦争後期。ジャブローから打ち上げられる戦艦を撃ち落とすための兵器や、モビルスーツに逆行するありあわせの兵器、そしてそれを支援する兵器の逸話である。
主役であるガンダムは一瞬しか画面には登場せず、これらの物語からわかることは、戦争というものは、ガンダムに関係なく動いていたということである。国力のないジオン軍はありとあらゆる可能性を模索しつつも、しかしできることは限られており、その上、劣勢に立たされるとじりじりと追い込まれ窮してしまう。戦争は弱者に対し非情である。
「重力戦線」は連邦軍側からみたモビルスーツの脅威である。ジオン軍の地球降下作戦により、地上にモビルスーツ・ザクが投入され、連邦軍は一気に劣勢に追い込まれる。圧倒的な戦力であるザクに対し、連邦軍は最初、対戦車用の兵器や戦車で立ち向かわざるをえず、それは連戦連敗、まさに絶望的な戦いであったに違いない。やがて連邦軍もモビルスーツの量産に成功し、形勢を立て直すのだが、最後はその過程において兵器としての進化を止められたガンタンクの逸話で終わる。
「重力戦線」の主役は、「死神」とそれに魅入られた兵士たちである。重力は兵士たちの心を蝕んでいく。
国立新美術館に 『大エルミタージュ美術館展』を観に行ってきました。国立新美術館は地下鉄千代田線6番出口から直結。その通路上でも当日券を販売しているので便利です。
↓国立新美術館。六本木方面から来ると、こちらから。国立新美術館は吹き抜けのスペースが広くて開放的な空間なのが良いです。

↓恒例のカンバンをパシャリ。このマティスの《赤い部屋》がこの展示の目玉のひとつです。

エルミタージュ美術館は、ロシアのサンクトペテルブルクにあり、パリのルーブル美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館と並び称される世界三大美術館の1つ。ロシア皇帝エカテリーナ2世のときにヨーロッパ中の美術品を収集したのがその礎になっているのだそうです。
展示物は世紀単位にまとめられています。
16世紀「人間の世紀」
17世紀「黄金の世紀」
18世紀「革命の世紀」
19世紀「進化する世紀」
20世紀「アヴァンギャルドの世紀」
マティスの《赤い部屋》以外にも、モネの《霧のウォータールー橋》など、ルーベンス、レンブラント、ルノワール、セザンヌ、ピカソといったビッグネームの画家の作品が見られるのでかなりお得な展覧会です。ゴールデンウィーク中でしたが、あまり混雑しておらず、ゆったりと鑑賞することができました。
この展覧会に行く前、5/1に日本テレビ系で『奇跡の美術館 エルミタージュ~2枚のダ・ヴィンチと巨匠が遺した暗号(メッセージ)~』という番組が放送されていました。エルミタージュ美術館に所蔵されているレオナルド・ダ・ヴィンチの2枚の絵の真贋や、マティスの傑作《赤い部屋》は最初は違う色で描かれていたとか、エルミタージュ美術館最悪の事件からの修復作業でわかったレンブラントの代表作《ダナエ》の新発見とか、なかなか興味深い内容でした。
また、番組中、第二次世界大戦中、戦禍にさらされたサンクトペテルブルク(当時はレニングラード)からいかにして美術品を守ったのか、学術的成果を失わずに済んだのかということが語られていました。こういう物語を見聞きすると、美術についての興味が深まりますね。
美術の楽しみ方は、そういう作品に込められた物語だとか、画家の素顔だとか、謎解き・裏話的なものを知って楽しむ方法もあれば、そういうことは一切知らずにただ作品と向き合い感じるままに、という方法もあると思います。どちらが良いと一概には言えませんが、あまり教養だとか堅苦しく考えずに、もっと美術館に足を運ぶと良いと思います。ゴールデンウィークで混雑覚悟で行ったのですが、拍子抜けしたので、そんなことも思いました。
それとも、六本木ヒルズのワンピース展の方に人が流れたのでしょうか???